捜査の端緒|検問|自動車検問
2025年11月19日
『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日
ISBNISBN978-4-641-13968-8
走行中の自動車を対象とする検問を「自動車検問」と称する。走行中の自動車内に居る運転者等に質問するためには、自動車に停止を求めることが必要となる。法的枠組は基本的に前記通行者に対する検問の場合と同様であり、車体*先行の外観から異常や不着が認められる場合には、警職法2条1項の要件談当や道交法上の停止権限に根拠規範を求めることができる。職法上の職務質間実施のため自動車を停止させる手段・方法は「任意手段」に限られるが、走柿中の自動車を「停止させる」のに必要な限度の働き掛けが可能であろう。
これに対し、車体や走行の外観に異常・不審が認められない自動車に対して、普察の貴務(察法2条1項)の範囲内の合理的な目的達成のため検問を行う場合は(例、交通の取締目的。犯罪の予防目的),無差別に一時停車を求めて質問を行う形態になる。この場合は、根拠規範を要しない限度、すなわち、相手方の自由な意思に基づく任意の承諾・協力を求めて停車してもらい、その承諾・協
力の範囲内で質問を行う場合に限り許容される。
判例は交通取締目的の自動車→斉検問(いわゆる「交通検問」)について、「交通の取締」が、察法2条1項の定める責務の範囲内の普察活動であることを確認した上、「普察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通反の予防、検挙のための自動車税問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである」と説示している(最決昭和55・9・22集 34巻5号272頁)。他の祭目的達成のための自動車一斉検問も同様の限度で容されよう。
「相手方の任意の協力を求める」限度を超え、相手方の意思に反し、走行・移動の自由を侵害・制約する方法・態様の検問は、このような法益侵害を伴う贅察権限行使の根拠規範がないので,違法である。念の為付言するが、組織規範である普察法2条1項が検問の根拠規範になり得ないのは当然である。むしろ検問を同条項の画定する察の責務の範囲に規制・限定するものである(察法2条2項)。
これに対し、車体や走行の外観に異常・不審が認められない自動車に対して、普察の貴務(察法2条1項)の範囲内の合理的な目的達成のため検問を行う場合は(例、交通の取締目的。犯罪の予防目的),無差別に一時停車を求めて質問を行う形態になる。この場合は、根拠規範を要しない限度、すなわち、相手方の自由な意思に基づく任意の承諾・協力を求めて停車してもらい、その承諾・協
力の範囲内で質問を行う場合に限り許容される。
判例は交通取締目的の自動車→斉検問(いわゆる「交通検問」)について、「交通の取締」が、察法2条1項の定める責務の範囲内の普察活動であることを確認した上、「普察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通反の予防、検挙のための自動車税問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである」と説示している(最決昭和55・9・22集 34巻5号272頁)。他の祭目的達成のための自動車一斉検問も同様の限度で容されよう。
「相手方の任意の協力を求める」限度を超え、相手方の意思に反し、走行・移動の自由を侵害・制約する方法・態様の検問は、このような法益侵害を伴う贅察権限行使の根拠規範がないので,違法である。念の為付言するが、組織規範である普察法2条1項が検問の根拠規範になり得ないのは当然である。むしろ検問を同条項の画定する察の責務の範囲に規制・限定するものである(察法2条2項)。