公判手続き|公判期日の手続|証拠調べの実施(その4)被告人質問
2025年11月19日
『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日
ISBNISBN978-4-641-13968-8
法は、被告人に対して、終始沈黙しまたは利益であると不利益であるとを問わず供述をするかどうかの自由(黙秘権)を付与すると共に、旧刑訴法の被告人説間の制度を廃止し、新たに「被告人質問」の手続を設けた(送311条)。
被告人質問において、被告人は「終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる」が(法311条1項),被告人が任意に供述をする場合には、裁判長はいつでも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる(法 311条2項)。陪席裁判官、検察官、弁護人、共同告人またはその弁護人裁判員も裁判長に告げてその供述を求めることができる(法 311条3項,裁判員法59条)。被告人が質問に答えて任意に供述をすれば、その供述は有利・不利を問わず証拠となるので(規則197条1項)。被告人質問も証拠調べの性質を有する。他方、被告人質問には、公判期日において、訴訟当事者たる被告人に事件についての弁解・意見を十分尽くさせる機会を与えるという側面もある。このため被告人の供述内容は、供述証拠の側面と、主張ないし意見陳述の側面が混在する上、供述証拠としては、証人と異なり、無宜誓かつ反対尋問による吟味が不可能であるため、用性の担保の重要部分を欠く〔第4編証拠法第4章Ⅳ 2〕
被告人質問の内容は、被告人が犯罪事実を争っている否認事件の場合には、検察官の立証に対する反論や弁解が中心となり、犯罪事実を認めている自白事件の場合には、被告人に有利な情状の顕出が中心となるのが通例である。
被告人質問の時機について特別の定めはないので、証拠調べに入った後は、審理の具体的な状況に応じ、いつでもよい。実務では主な証拠調べが終わった段階で行われるのが通例である。
なお、被告人の自白調書がある場合に、従前の実務は、自白調書を先に取り調べていたが、裁判員裁判では被告人質問をまず行い。それで足りれば自白調書を採用しないという扱いが一般化しており、裁判員裁判以外でも同様の扱いがなされるようになっている。直接主養・口頭主義の本旨に則した適りな運用といえよう質問の方式は、証人尋問の場合と同様に交互に質問するのが通例である。弁護人がまず質問し、これに対し検察官が反対質問をし、さらに必要に応じて裁判官や裁判員が質問をする。
被告人質問において、被告人は「終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる」が(法311条1項),被告人が任意に供述をする場合には、裁判長はいつでも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる(法 311条2項)。陪席裁判官、検察官、弁護人、共同告人またはその弁護人裁判員も裁判長に告げてその供述を求めることができる(法 311条3項,裁判員法59条)。被告人が質問に答えて任意に供述をすれば、その供述は有利・不利を問わず証拠となるので(規則197条1項)。被告人質問も証拠調べの性質を有する。他方、被告人質問には、公判期日において、訴訟当事者たる被告人に事件についての弁解・意見を十分尽くさせる機会を与えるという側面もある。このため被告人の供述内容は、供述証拠の側面と、主張ないし意見陳述の側面が混在する上、供述証拠としては、証人と異なり、無宜誓かつ反対尋問による吟味が不可能であるため、用性の担保の重要部分を欠く〔第4編証拠法第4章Ⅳ 2〕
被告人質問の内容は、被告人が犯罪事実を争っている否認事件の場合には、検察官の立証に対する反論や弁解が中心となり、犯罪事実を認めている自白事件の場合には、被告人に有利な情状の顕出が中心となるのが通例である。
被告人質問の時機について特別の定めはないので、証拠調べに入った後は、審理の具体的な状況に応じ、いつでもよい。実務では主な証拠調べが終わった段階で行われるのが通例である。
なお、被告人の自白調書がある場合に、従前の実務は、自白調書を先に取り調べていたが、裁判員裁判では被告人質問をまず行い。それで足りれば自白調書を採用しないという扱いが一般化しており、裁判員裁判以外でも同様の扱いがなされるようになっている。直接主養・口頭主義の本旨に則した適りな運用といえよう質問の方式は、証人尋問の場合と同様に交互に質問するのが通例である。弁護人がまず質問し、これに対し検察官が反対質問をし、さらに必要に応じて裁判官や裁判員が質問をする。