公判手続き|公判期日の手続|公判期日外の証拠調べ
2025年11月19日
『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日
ISBNISBN978-4-641-13968-8
(1)裁判所が、公判期日外において証人尋問や検証を行う場合がある。その果は書面に記載されて、公判期日に証拠書類として取り調べなければならない。また。裁判所自らが公判期日外に行った押収及び捜索の結果を記載した書面や押収物も。公判期日において証拠書類または証拠物として取り調べなければならない(法 303条)。これら公判期日外の活動は、公判期日における証拠調ペの準備行為すなわち公判準備の性質を有する。また。裁判所は、当事者の請求によりまたは職権で公務所等照会をすることができる(法279条)。
このうち、検証、押収、捜索、公務所等照会は、性質上、公判期日外で実施されるのが当然であるから。必要と認められる限り、裁判所が公判準備として行うことに特段の問題は生じない。これに対して、証人尋間は、直接主義・口頭主義の観点から、本来、公判期日において行うべき性質の活動である。例外的にこれを公判期日外で実施すると、その調書から心証を形成することとなるので、法は、必要最小限度において公判期日外の証人等間ができる場合を認め
ている。
*裁判所は、検証としての身体検査のため、対象者を裁判所または指定の場所に出頭させることができる。被告人については,召喚または出頭命令(法57条・68条),被告人以外の者については召喚(法132条)による。勾引(法58条・68条)、再度の召喚(135条)、間接強制と制裁(法133条・134条・137条・138条),直接強制(139条)等の手段が定められている。
(2)公判期日外の証人尋問には、①裁判所外で行う場合(法158条)(例、証人が病気入院中で裁判所への出頭が困難な場合にその証人の現在場所の病院で行う尋問)と、②公判期日外に裁判所において行う場合(法281条)(例、証人が急な海外渡航等のやむを得ない事情で予定の公判期目に出頭することができない場合に、裁判所内で行う尋問)とがある。いずれの場合も、証人の重要性、年齢、職業,健康状態その他の事情と事案の軽重とを考慮した上、検察官及び被告人または弁護人の意見を聴き、必要と認めるときに限らなければならない(法158条・281条)。検察官、被告人及び弁護人は、証人を尋問する権利があるから、証人尋問に立ち会うことができる。このため、公判期日外の証人尋問の日時場所は、あらかじめ立会権者であり尋問権者である検察官,被告人及び弁護人に告知しなければならない。ただし,あらかじめ裁判所に立ち会わない意思が明示されたときはこの限りでない(法157条)。公判期日外の尋問をする場合、裁判所は、あらかじめ尋問事項を知る機会を与えなければならず(法158条2項,規則109条1項)。検察官、弁護人及び被告人は、尋問事項の付加を請求することができる(法158条3項,規則109条2項)。
裁判所は、検察官、被告人または弁護人が公判期日外の証人尋間に立ち会わなかったときは、立ち会わなかった者に、証人の供述内容を知る機会を与えなければならない。場合により、新たな追加間の請求も認められる(法159条,規則 126条)。
なお、裁判所外で行う証人尋問は、受命裁判官または受託裁判官によることができる(法163条)。裁判所における期日外尋間の場合は、公判裁判所が行わなければならず、受命裁判官によることはできない(最決昭和29・9・24刑集8巻9号1519頁)。
前記のとおり、公判期日外の証人尋間の調書は、後の公判期日において職権で取り調べなければならない(法303条)。この調書は、無条件で証拠能力を有する(法321条2項前段)。裁判所または裁判官の検証の結果を記載した書面も同様である(法 321条2項後段)〔第4編証拠法第5章Ⅳ 5,Ⅳ 1〕
*公判期日外の証人尋問は、公判期日における尋問が不可能か著しく困難な場合のみならず、性犯罪被害者や年少者等施弱な証人について,被告人・傍聴人から見られることによる圧迫や、公開法廷で証言する心理的圧迫を軽減して証言し易くするために用いられる例があった。しかし、そのような圧迫を軽減し弱な証人を保護するための、付添い,遮蔽、ビデオリンク方式の尋問等が整備されたので〔Ⅲ 5〕,第1次的には、これらの証人保護措置を検討すべきであろう。期日外尋問は、調書が証拠となり直接主義・口頭主義の例外となるので、原則として公判期日における尋問を行うべきである。
このうち、検証、押収、捜索、公務所等照会は、性質上、公判期日外で実施されるのが当然であるから。必要と認められる限り、裁判所が公判準備として行うことに特段の問題は生じない。これに対して、証人尋間は、直接主義・口頭主義の観点から、本来、公判期日において行うべき性質の活動である。例外的にこれを公判期日外で実施すると、その調書から心証を形成することとなるので、法は、必要最小限度において公判期日外の証人等間ができる場合を認め
ている。
*裁判所は、検証としての身体検査のため、対象者を裁判所または指定の場所に出頭させることができる。被告人については,召喚または出頭命令(法57条・68条),被告人以外の者については召喚(法132条)による。勾引(法58条・68条)、再度の召喚(135条)、間接強制と制裁(法133条・134条・137条・138条),直接強制(139条)等の手段が定められている。
(2)公判期日外の証人尋問には、①裁判所外で行う場合(法158条)(例、証人が病気入院中で裁判所への出頭が困難な場合にその証人の現在場所の病院で行う尋問)と、②公判期日外に裁判所において行う場合(法281条)(例、証人が急な海外渡航等のやむを得ない事情で予定の公判期目に出頭することができない場合に、裁判所内で行う尋問)とがある。いずれの場合も、証人の重要性、年齢、職業,健康状態その他の事情と事案の軽重とを考慮した上、検察官及び被告人または弁護人の意見を聴き、必要と認めるときに限らなければならない(法158条・281条)。検察官、被告人及び弁護人は、証人を尋問する権利があるから、証人尋問に立ち会うことができる。このため、公判期日外の証人尋問の日時場所は、あらかじめ立会権者であり尋問権者である検察官,被告人及び弁護人に告知しなければならない。ただし,あらかじめ裁判所に立ち会わない意思が明示されたときはこの限りでない(法157条)。公判期日外の尋問をする場合、裁判所は、あらかじめ尋問事項を知る機会を与えなければならず(法158条2項,規則109条1項)。検察官、弁護人及び被告人は、尋問事項の付加を請求することができる(法158条3項,規則109条2項)。
裁判所は、検察官、被告人または弁護人が公判期日外の証人尋間に立ち会わなかったときは、立ち会わなかった者に、証人の供述内容を知る機会を与えなければならない。場合により、新たな追加間の請求も認められる(法159条,規則 126条)。
なお、裁判所外で行う証人尋問は、受命裁判官または受託裁判官によることができる(法163条)。裁判所における期日外尋間の場合は、公判裁判所が行わなければならず、受命裁判官によることはできない(最決昭和29・9・24刑集8巻9号1519頁)。
前記のとおり、公判期日外の証人尋間の調書は、後の公判期日において職権で取り調べなければならない(法303条)。この調書は、無条件で証拠能力を有する(法321条2項前段)。裁判所または裁判官の検証の結果を記載した書面も同様である(法 321条2項後段)〔第4編証拠法第5章Ⅳ 5,Ⅳ 1〕
*公判期日外の証人尋問は、公判期日における尋問が不可能か著しく困難な場合のみならず、性犯罪被害者や年少者等施弱な証人について,被告人・傍聴人から見られることによる圧迫や、公開法廷で証言する心理的圧迫を軽減して証言し易くするために用いられる例があった。しかし、そのような圧迫を軽減し弱な証人を保護するための、付添い,遮蔽、ビデオリンク方式の尋問等が整備されたので〔Ⅲ 5〕,第1次的には、これらの証人保護措置を検討すべきであろう。期日外尋問は、調書が証拠となり直接主義・口頭主義の例外となるので、原則として公判期日における尋問を行うべきである。