消費税関係の届出書
2025年11月19日
Q&A 弁護士のための相続税務70
中央経済社
Q:消費税の適格請求書発行事業者の登録を受けていた父が亡くなり、事業を承継しました。必要となる手続等について教えてください。
A: 適格請求書発行事業者の登録を受けていなかった相続人が事業を承継した場合には、一定の期間まで、その相続人は適格請求書発行事業者とみなされ、消費税の課税事業者となります。一定の期間以後も適格請求書発行事業者であるためには、相続人が自身で適格請求書発行事業者の登録申請を行う必要があります。
解説
免税事業者である相続人が、被相続人の事業を相続により承継した場合、相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円を超えるときは、相続があった日の翌日からその年の12月31日までの間の納税義務は免除されません。また、相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円以下である場合は、相続があった年の納税義務は免除されます(相続人が消費税課税事業者選択届出書を提出している場合及び適格請求書発行事業者の登録を受けていた場合を除きます。)。 なお、被相続人が提出した消費税課税事業者選択届出書,消費税課税期間特例選択・変更届出書又は消費税簡易課税制度選択届出書の効力は、被相続人の事業を承継した相続人には及びませんので、相続人がこれらの規定の適用を受けようとする場合は、新たにこれらの届出書を提出しなければなりません。 適格請求書発行事業者の登録を受けていた被相続人から事業を引き継ぐ場合の取扱いは、次のとおりです。
(1) 適格請求書発行事業者の効力の引継ぎ
令和5年10月1日以後に開始した相続において、被相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けており、適格請求書発行事業者の登録を受けていない相続人が、被相続人の営んでいた事業を承継する場合には、一定の期間について「みなし措置」が設けられており、被相続人の登録番号を相続人の登録番号とみなすこととされています(消法57の3③)。 「みなし措置」とは、適格請求書発行事業者でなかった相続人が、適格請求書発行事業者であった被相続人の事業を相続により承継した場合、次のいずれか早い日までの期間(「みなし登録期間」といいます。)まで、相続人を適格請求書発行事業者とみなすというものです(消法57の3②③)。
① 死亡日の翌日から4か月を経過する日(消費税準確定申告期限)
② 相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日 「みなし措置」を受けた場合には、消費税法9条1項(小規模事業者に係る納税義務の免除)の規定の適用を受けないことから、相続人は消費税の申告と納税の義務を負うこととなります。
(2) 「みなし登録期間」 経過後の手続
「みなし措置」を受けた相続人が、「みなし登録期間」以後も適格請求書発行事業者であるためには、相続人が自身で適格請求書発行事業者の登録申請を行う必要があります。
このとき、例えば事業用賃貸不動産から生じる賃貸収入については、その不動産に係る遺産分割協議が成立するまでの期間において、消費税の課税売上げは相続人が法定相続分に応じて申告する必要があることから、相続人全員が適格請求書発行事業者の登録申請を行わなければなりません。
A: 適格請求書発行事業者の登録を受けていなかった相続人が事業を承継した場合には、一定の期間まで、その相続人は適格請求書発行事業者とみなされ、消費税の課税事業者となります。一定の期間以後も適格請求書発行事業者であるためには、相続人が自身で適格請求書発行事業者の登録申請を行う必要があります。
解説
免税事業者である相続人が、被相続人の事業を相続により承継した場合、相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円を超えるときは、相続があった日の翌日からその年の12月31日までの間の納税義務は免除されません。また、相続があった年の基準期間における被相続人の課税売上高が1,000万円以下である場合は、相続があった年の納税義務は免除されます(相続人が消費税課税事業者選択届出書を提出している場合及び適格請求書発行事業者の登録を受けていた場合を除きます。)。 なお、被相続人が提出した消費税課税事業者選択届出書,消費税課税期間特例選択・変更届出書又は消費税簡易課税制度選択届出書の効力は、被相続人の事業を承継した相続人には及びませんので、相続人がこれらの規定の適用を受けようとする場合は、新たにこれらの届出書を提出しなければなりません。 適格請求書発行事業者の登録を受けていた被相続人から事業を引き継ぐ場合の取扱いは、次のとおりです。
(1) 適格請求書発行事業者の効力の引継ぎ
令和5年10月1日以後に開始した相続において、被相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けており、適格請求書発行事業者の登録を受けていない相続人が、被相続人の営んでいた事業を承継する場合には、一定の期間について「みなし措置」が設けられており、被相続人の登録番号を相続人の登録番号とみなすこととされています(消法57の3③)。 「みなし措置」とは、適格請求書発行事業者でなかった相続人が、適格請求書発行事業者であった被相続人の事業を相続により承継した場合、次のいずれか早い日までの期間(「みなし登録期間」といいます。)まで、相続人を適格請求書発行事業者とみなすというものです(消法57の3②③)。
① 死亡日の翌日から4か月を経過する日(消費税準確定申告期限)
② 相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日 「みなし措置」を受けた場合には、消費税法9条1項(小規模事業者に係る納税義務の免除)の規定の適用を受けないことから、相続人は消費税の申告と納税の義務を負うこととなります。
(2) 「みなし登録期間」 経過後の手続
「みなし措置」を受けた相続人が、「みなし登録期間」以後も適格請求書発行事業者であるためには、相続人が自身で適格請求書発行事業者の登録申請を行う必要があります。
このとき、例えば事業用賃貸不動産から生じる賃貸収入については、その不動産に係る遺産分割協議が成立するまでの期間において、消費税の課税売上げは相続人が法定相続分に応じて申告する必要があることから、相続人全員が適格請求書発行事業者の登録申請を行わなければなりません。